みなさん、こんにちは。ロシア語学科教員の秋山真一です。今年度はサバティカル(研究休暇)という制度を利用して1年間上智大学での授業をお休みし、6月1日からロシア第2の都市、サンクト・ペテルブルクで研究をしています。
ところでみなさん、「綿毛」といえばどんな植物を思い浮かべますか?おそらく「タンポポ」と答える方が多いのではないかと推測します。もちろん、ここサンクト・ペテルブルクにもタンポポは咲いていて、この時期になると綿毛を丸くした白い姿になって街のあちこちに咲いています。
ところがサンクト・ペテルブルクだけといわず、ロシア中にこの時期、もうひとつの綿毛が現れます。それはポプラの綿毛です。ロシア語でトーポリтопольと言います。このポプラの綿毛はタンポポの綿毛よりも1つ1つが大きく、街の中を舞う様子はまるで初夏に雪が舞っているようにも見えます。
第二次世界大戦後、街の緑化のために成長の早いポプラを大量に植えたため、ポプラの綿毛も街中のあちこちを飛び、家の窓に網戸があってもなぜか家の中にまで入ってきます。屋外の風の吹きだまる場所にはうっすらと綿毛が積もります。
初夏の6月はオープンテラスのレストランやカフェに入る機会も増えますが、気を付けないと食事のお皿や料理にもポプラの綿毛がついてしまいます。
日本では札幌をはじめとする北海道でポプラの綿毛が見られるようですね。ロシアの初夏の風物詩でもあるポプラの綿毛、迷惑がる人もいますが、気温が高くなってきた証であり、ロシアの短い夏の訪れを教えてくれているようです。